レギュラー仕様車にハイオクを入れる意味

レギュラーガソリン、ハイオクガソリン、それぞれオクタン価というものが違い、だいたい10円/L程度の価格差があります。

ハイオク指定車にハイオクを入れることはもちろんですが、レギュラー仕様車にハイオクを入れる意味はあるの?という疑問について書いてみようと思います。

目次

ハイオクガソリンに期待できること

洗浄効果

レギュラー仕様車にハイオクガソリンを入れる効果として、一番期待できることは、添加剤による洗浄効果です。

シェル V-Powerや、エネオス ヴィーゴなどのハイオクは洗浄効果をうたっており、主にPEA(ポリエーテルアミン)等の添加剤が入っているものと推測されます。

PEAのガソリン添加剤は市販の WAKO’S フューエルワン などで有名です。

特に吸気バルブやピストンヘッド等の汚れを落とすのに効果があるとされます。

吸気バルブへの汚れの蓄積は、エンジン内への空気の流れを乱したり、通路が狭くなり充填効率が悪化します。また、ピストンヘッド等の汚れは走行距離が増すごとに増え続け、とくにちょい乗りが多い場合などはより顕著に蓄積し、異常燃焼によるパワーダウンや、ピストンリング固着によるオイル消費に繋がります。

ただし、ハイオクガソリン内の添加濃度はそこまで高く無いと推測されるため、継続的な使用でより効果が出やすくなるのではないかと推測されます。
(V-Powerでは8,000㎞で効果が出ると記載があります)

頻繁に市販のガソリン添加剤を購入するのであれば、手間を考えてもハイオクガソリンを給油するのも一つの方法ではないでしょうか。

少しだけパワーアップ

レギュラーガソリン車に、ハイオクを入れるのは無駄!とよく言われます。

昔のキャブレター車などはその通りかもしれません。

しかし、今時のセンサー満載のエンジンでは、ちょっと違うかもしれません。

そもそも、ハイオクは、オクタン価を上げ、アンチノック性能を向上させています(ノッキング…異常燃焼を起こしにくいガソリンです)
ノッキングの主な要因の一つに、プラグによる点火が早すぎるということがあります。

そもそも、エンジンから高い出力を得るためには、ある程度 点火時期を早めてあげる必要があります。しかし、点火時期を早めすぎると、ピストンの上下運動を妨げてしまう異常燃焼に繋がり、ノッキング音(カラカラ、キンキン)が出て、エンジンにダメージを与えてしまいます。
また、高性能エンジンなどでは、高圧縮による圧縮熱やエンジン内部の熱により、プラグで点火させるよりも前にガソリンが燃焼してしまう事があり、この異常な燃焼を抑えるためにアンチノック性能の高いハイオクガソリンが使われます。

指定のガソリン(レギュラー・ハイオク問わず)を使い、エンジンのパワーを最大限に出そうとした場合には、やはりできるだけ点火時期を早めてあげたい。
しかし、早めすぎると、ノッキングが起こりエンジンを痛めてしまう。
・・・ということで、その問題を解決すべく、最近のエンジンにはほとんど「ノックセンサー(ノッキングセンサー)」がついています。

このセンサー、簡単に説明するとエンジンからのノッキングによる異常な音を検知します。
エンジンは、パワーを出すため、徐々に点火時期を早めていきます。
ある程度点火時期が早くなった時に、ノッキングの予兆が出てきます。そこでこのノックセンサーが反応すると、点火時期を遅くしてあげると言った感じです。

エンジンのコンピュータには、MAPと呼ばれる、負荷やエンジン回転数に応じた燃料噴射や点火タイミングなどを車種ごとに設定した値があります。
例えば、このMAPのなかに、ある程度点火時期の幅があるとして(たとえば1~5)、標準的なレギュラーガソリンであれば中央値”3”という値を使ってればノッキングしないでパワー出るよ!となっていた場合、ハイオクガソリンを入れれば”2”や”1”なり、レギュラーガソリンを入れた場合よりも点火時期が僅かに早くでき、パワーが上がる可能性があります。
逆に粗悪ガソリンやエタノール混合ガソリンを使うと”4”や”5”になってちょっとだけパワーが落ちることもあり得ます。

ただし、このコンピュータが想定した範囲での話ですので、体感できるか否かは別でしょう。

パワーが上がれば、アクセルを踏む量が減り、必然と燃費値もよくなります。
が、ハイオクとレギュラーの価格差分モトが取れるかはやってみなくてはわかりません。
(大抵モトは取れないと思います)

ハイオク指定車にレギュラーガソリンを入れた場合

逆に、ハイオク指定車にレギュラーガソリンを入れた場合です。

万が一のトラブルの際、例えばガス欠でレッカーを呼んでも、レッカー車にはレギュラーガソリンしか載っていないという可能性もあります。(昔は離島などでハイオクが無い島もあったようです)
しかし、ガソリンを入れなければそのまま立ち往生です。

そんな場合、やむ終えずレギュラーガソリンを入れるとします。

それで、エンジンが掛からなかったり、壊れてしまっては困りますよね。

最近のハイオク車は、上記のMAPと呼ばれる値を2つもっています。

”ハイオク”を入れた時使う、正規のMAP。
もう一つは、”レギュラー”を想定し、点火時期を遅くし、パワーも落とし、エンジンを保護したMAPです。

この場合、ノックセンサーやその他センサーでレギュラーをいれたことを検知し、MAPを切り替えます。再びハイオクを入れ濃度が上がればハイオクのMAPに切り替えるといった感じです。

給油口に「ハイオク指定車・レギュラーガソリンも使用できます。」と書かれた車両もありますが、その場合MAPが2個用意され、切り替えて使われていると思って間違いないでしょう。

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