「ペダルの見張り番」装着車に試乗してみた!どんな制御?

オートバックスで専売・取り付けをしている、「ペダルの見張り番」。
後付できる、誤発進防止装置として、人気があり、一時は在庫がなくなるほどでした。

今回、この「ペダルの見張り番」が後付けされた車両を借りることをできましたので、試乗した感想を書きたいと思います。

この「ペダルの見張り番」は、説明書きによると、

「ペダルの見張り番」は、アクセルペダルとブレーキペダルの踏み間違いによる急発進を防止する装置。本品には、アクセルペダルとブレーキペダルを踏み間違えた際に、アクセル開度(アクセルペダルを踏み込んだ量)を電気的に制御して誤発進を防止する機能「オーバーアクセルキャンセラー(OAC)」と、アクセルペダルとブレーキペダルを同時に踏んだ際に、ブレーキ動作が優先される機能「ブレーキオーバーライドシステム(BOS)」の2つの機能を装備。制御が掛かった場合にはブザー音で警告してくれます。

とのことです。

車両側から、読み出しているのは

・車速
・ブレーキ信号(ペダルON/OFF)
・アクセルペダル信号(ストローク信号:電圧)

の3点のようです。アクセルペダルのみ、中間配線で、発進抑制を行うときは、信号を変更しています。

停車時など、10km/h以下から、早めに※アクセルペダルを踏み込んだときは、ピーというブザー音とともに、アクセルペダル信号が抑制(カット?)され、クリープ走行になります。
※この、「早めに」の感度を手元のボタンで3段階に調整可能。

踏み続けている間は、ブザー音が鳴り続け、エンジン回転は上がりません。

試乗インプレッション

今回試乗できたのは、軽自動車(NA:ターボ無し車)に取り付けたものでした。

感度は、3段階の2段目で使用。

通常の発進では作動することなく、特に違和感はありません。

信号待ちの状態から、故意に急加速しようとすると、ピーというブザー音とともに、クリープ走行程度の速度で発進します。ゆっくりアクセルを踏みなおすと通常通り発進していきます。

この点、普通の街中での使用は、誤発進(急加速)を低減する効果はありそうですね!

ただ、試乗した中で、不満な点も複数ありました。

今回試乗した車両が軽自動車であることが要因のひとつかと思いますが、軽自動車に取り付けようと思っている人も多いと思いますので、参考していただければと思います。

・坂道発進、右折時作動してしまうと怖い思いをする
坂道発進や、右折時、対向車が切れた時を見計らって右折したいというときは、ブレーキペダルからアクセルペダルに素早く踏みかえて強めの加速をしたい(アクセルを深く踏み込みたい)と思います。

しかし、この装置がついていることで、強めの加速ができなく、坂道発進でずり下がってしまったり、右折時にもたもたしてしまうシチュエーションがありました。
感度設定を鈍感にすれば少しはいいのですが、それでも作動してしまうことがありました。

・OFFができない
この装置、一度取り付けをしてしまうと、感度設定を調整できても、OFFにすることができません。
例えば、慣れない家族が乗る場合や、坂道などが続くことが事前にわかっていれば、OFFにしておくことで対応できるとおもうのですが、少し残念です。

車両標準機能との競合が発生
坂道発進補助ブレーキ?との共存考える必要あります。
最近の車についている、坂道発進時の補助機能は、発進時にブレーキからアクセルを踏みかえてから数秒ブレーキを保持してくれる機能との相性は悪く、踏みかえる際、このペダル見張り番が作動してしまうと、ブレーキ保持が数秒後に切れた際、アクセルを踏んでいるにも関わらず、ペダル見張り番がアクセルペダルを制御し、踏み込んでいないことにしてしまっているため、そのまま坂道をずり下がってしまうという現象が起きてしまいました。

警告音は当然出るため、再度アクセルペダルを踏みなおせばいいでしょうが、坂道発進時は特に後退してしまうことを気にして早めにペダルを踏みかえることが多く、頻繁に作動してしまうシチュエーションんだと思います。
当然、右足はアクセルペダルに乗っているので、ブレーキペダルはすでに踏んでいないので、この車両標準装備の機能と、ペダル見張り番双方の機能や特性を理解したうえで使用しないと、逆にヒヤリをしてしまう可能性があると感じました。

すでに指摘したOFFできないということと兼ね合い、特に不特定多数が乗るような社有車やレンタカーなどへの装着はおすすめできません。

結論

取り付ける車両の標準機能・ペダル見張り番 双方の機能の詳細や操作方法を良く把握したうえで、”自己責任の上”取り付けるのであれば良いでしょう。

この装置は、きっと安全性向上のために取り付ける人が多いはずですが、使い方(運転の仕方)や、機能の競合、故障などで予期せぬ作動が起きてしまうことがあり得ると思います。

例えば、車両の意図しない加速や暴走などで事故が起きてしまった際、ペダル見張り番のような社外パーツがアクセルペダルに取り付けられていた場合、自動車メーカーはこれを理由に絶対に非を認めない結果となるでしょう。

安全をお金で買うという覚悟があるのであれば、最新の予防安全装備のある自動車への乗り換えが最大の策であることは間違いありません。

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コメント

  1. 無菜 より:

    本当に加速したいとき、加速しない。これが怖い。緊急事態に自分の意思に反する動きをする。だから、買ってつけようとは思わない。