新車カタログの読み方:室内幅編

車を買うときに、カタログを見て買うのは当然の事と思います。
しかし、カタログの情報だけを信じて買うのはちょっと待った!
ウソは書かれていませんが、良い様に書かれています。
(そういえば某社は燃費でウソをついていましたが・・・)

今回は、室内幅を例にとって解説したいと思います。

分かりやすい用に、競争の激しい軽自動車を例に取ってみてみます。
近年、軽自動車は特に室内が広いことを売りにしている事も多く、実際に乗ってみると、ホンダN-BOX辺りは本当に広いです。
広さを訴求する為には、やはりカタログ上の室内空間の寸法を大きく見せたいものです。
軽自動車は、ボデーサイズが決まっており、幅でいうと、全幅が1,480mm以下であることが決まっています。各社、それを超えないよう設計上(カタログ値)は5mm幅の狭い 1,475mmと全幅を設定していることがほとんどです。

制約のある中、大きく見せたい場合は、室内幅のカタログの数値を極力大きく見せたいものです。
諸元値となりますので、型式指定を受ける際、国土交通省審査部へ提出される数値となります。

室内幅とは・・・
日本国内の試験基準である、TRIASでは、以下のように定められています。

3.6.2 幅
(1)乗用車及びバン型トラックの客室では、客室中央部の車両中心線に直角でかつ水平の方向の最大幅を測定する。

引用:TRIAS 02-001-01

あまり、詳しく記載がありません。しかも、車内の側面は平面では有りません。
と、言うことで、各社は「カタログに大きい数字を載せるための工夫」を凝らします。

例えば、現時点、軽自動車で室内幅が一番大きな設定になっているN-WGNで言うと、カタログ上の室内幅は1,355mmとなっています。
全幅が1,475mmですから、そこから引くと120mm、片側60mmです。
ドアの厚みが60mm・・・というわけにはなりません。
全幅は、車両の一番外側です。フェンダーやドアハンドルなども含みます。
また、ドアの厚みのほか、車内なので、ドアトリムの厚みも含まれます。

実際に60mmと聞いた場合、そんなもんか、と思うかもしれませんが、実際の幅はもっと大きいものです。

上記のTRIASが制定されたときはかなり昔で、当時は平面のドアトリムであったためそれで良かったかもしれません。

しかし、現在の立体的なドアトリムでは、明確な計測ポイントが定められていないため、各社”都合のいいように”解釈し、そこで計測しています。
都合のいいようにとはいうものの、国土交通省に届け出ている値であるため、おかしな物ではないですが・・・

ほとんどの車種で、フロントドアのドアトリム部を室内幅として、届け出ています。
N-BOXの例を上げましたので、N-BOXのドアトリムを見てみましょう。

さて問題です。この、どこが室内幅の基準となっているでしょうか??

正解は、くぼみの部分です。

軽自動車など、広さを訴求したい車種にはこのようなくぼみがあることがほとんどです。
実際に、このくぼみが広さに影響しているかというと、運転中に肘を置く際に有効なくらいで、荷物をおいたりすることもできません。

すぐ近くにはBピラーがあったりするため、室内幅が”1,355mm”だから、1355mm幅のものを置くことがきるか?というと答えはNOとなります。

このように、カタログに記載されていることで車を単純比較すると失敗してしまうこともあり、
やはり実際に比較して、置きたいものが置けるかや広さを体感することが重要になってくると思います。

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