タイヤ空気圧の正しい合わせ方

マイカーの空気圧、ガソリンスタンドで合わせていませんか?

必ず、それが間違いとは言えませんが、多くのユーザーが間違った空気圧調整を行っていることを知ってもらいたいです。

多くの車種で、空気圧ラベルは運転席ドアを開けたラッチ部付近に貼り付けられていることが多いです。基本的にはそれを基準にタイヤ空気圧を合わせることになります。

適正な空気圧で運転しない場合、燃費性能、ブレーキ性能、操縦安定性などに影響が出ます。高すぎても、低すぎても良くありません。

目次

タイヤ空気圧調整は、冷態で行う

一番言いたいことはコレです。

自動車メーカーが指定した空気圧は冷態(タイヤが冷えた状態)で合わせるが原則となっています。

空気は熱とともに膨張しますので、温かい状態では圧力が上がり気味になっています。
その状態で空気圧調整をした場合、タイヤが冷えてきた時に調整した圧力よりも低くなってしまいます。

ガソリンスタンドで空気圧を調整した場合、走行直後になっていることが多いと思います。
また、給油の数分間の間にタイヤは冷態まで戻ることは考えにくいです。

そのため、空気圧はかならずタイヤが冷えた状態で行うようにしましょう。

タイヤの熱が上がる要因

タイヤは路面との摩擦状態が常となっており、摩擦熱、タイヤの変形熱、路面温度などの影響から、走行中、タイヤは外気温より高くなっていることが多いです。(寒冷地域での氷上低速走行などは除く)

また、タイヤ近傍にはブレーキ、エンジンなど熱を発するものが多くありその影響も受けます。

また、スリップ率が高くなる駆動輪、制動時に荷重がかかりやすい前輪などは上がりやすい傾向になります。

その他、車に乗らなくても直射日光、路面温度などによりタイヤ温度は上がり、空気圧も上昇します。その状態での空気圧調整は不適切となります。
(経験上、真夏の直射日光で+30kPaほどになりました)

じゃあ、どこでどうやって合わせれば・・・

答えは、夜間駐車後数時間経過してから合わせればOKです。

ただし、実際はエアーを入れる設備がないなどの理由で不可能なことが多いです。

最近は車載のパンク修理機材にエアコンプレッサーが入っており、それでも調整可能ですが、騒音が大きく夜間使用するには気が引けます。

私の空気圧調整方法は、ガソリンスタンドで高めにエアーを調整(規定値+3~50kPa)し、夜間に自宅で抜きながら行っています。抜きすぎ注意ですが、抜き側だけですので簡単にエアを調整することが出来ます。

機材にこだわる

エアゲージは、ホームセンターやカー用品店で簡単に購入することができます。
私は仕事上、計測器精度は気にしますが、市販品では±30kPaなどは当たり前に誤差があり、長期使用過程でも誤差が出てきます。ガソリンスタンドなどのゲージもあまり当てにできません・・・。

マイゲージを一つ持って置き、複数のガソリンスタンドのエアゲージと比較しておくと安心です。デジタル式は、比較的誤差が少ないように思います。

高速道路を運転するときは高めがいいの?

よく、高速道路を運転する場合は空気圧を高めにすると良いという人がいます。

高速道路ではタイヤが高回転するため、空気圧が低いとタイヤの変形により発熱しバーストしやすくなるという理屈が起源だと思います。
(アメリカでは、ファイアストン社とフォード社で争った例もあります)

2~30年前くらいまでは、タイヤ空気圧は主に乗り心地を優先し決められていた為、適応範囲内で空気圧がやや低め側に設定されていたことがあります。もちろんそのまま運転しても問題ありません。
ただ、車種により高速道路用に高めの空気圧が設定されていることがありました。

現在では、ボディやサスペンションなどの改良が進み、タイヤ空気圧は燃費を重視して設定されることが多くなっています。そのため一昔前よりはやや高めの空気圧設定となっています。

ですから、冷態で規定空気圧に合わせておけば問題ありません。

(高速道路用空気圧、積載時空気圧が指定されている場合は運転状況に応じ調整しましょう)

どれくらいの頻度で空気圧調整すればいいの?

一般的には、1回/月 程度と言われています。

経験上1ヵ月経過すると、多くて10kPa程度低くなります。自然に減ってしまうんですね。

気温が低くなる時期は自然に抜ける分+気温低下による圧力低下もありますので、やや注意した方が良いでしょう。

パンクの心配や空気圧調整が手間という方は、TPMS(Tire Pressure Monitoring System=空気圧監視装置) を取り付けておくのも一つの方法です。
空気圧を常時監視してくれるため、いちいちエアゲージを使わなくても圧力を把握することが出来ます。エアバルブキャップに取り付けるだけの後付け製品も多く販売されています

窒素充填を進められた!

空気中の約8割が窒素です。自動車メーカーも窒素充填を特に勧めていません。

そのことから、特に窒素充填は不要だと思います。窒素充填したことでその後の空気圧調整頻度を落とすことの方が害が大きいと私は思います。

窒素に魅力や価値を感じる方、まめに窒素圧を調整できる方はメリットもあることと思いますので、充てんされてみてはいかがでしょうか。

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