アイドリングストップ車のバッテリー交換 注意点

車の部品を自分で交換する人も多くいると思います。

一番多いのは、タイヤ交換、次にバッテリー交換ではないでしょうか。

アイドリングストップ車は、通常のバッテリーよりもバッテリーにとって厳しい条件で使用される為、寿命もやや短めであることが多いようです。3~5年で交換となることが多いでしょう。

目次

アイドリングストップしなくなったら寿命かも

アイドリングストップ車のバッテリー寿命の判定は、エンジンが始動できないとなる前に、「アイドリングストップしなくなる」ことが多いです。

どのメーカーも、バッテリーが劣化したことにより、信号待ちなどアイドリングストップ後に再始動できなくなっては、立ち往生してしまうなどの懸念があるため、バッテリーの状態を監視するためのセンサーを付けています。

内部抵抗や電圧・温度などを管理し、バッテリーの状態を予測してバッテリーが寿命を迎える前にアイドリングストップの作動を停止します。

↓マイナス端子についているセンサーの例

バッテリーが劣化してくると、アイドリングストップが動かなくなることで、目安と判断してもいいと思います。

ただし、週末しか乗らないという場合などは、単純に充電不足によるものの可能性もあるため、充電後(長時間の走行後)に作動するか、しないかの判断をすべきです。

また、エアコンなどの空調の作動を優先し、アイドリングストップしない場合もありますので、こちらも長時間の運転で車内が快適温度になってからの判断になると思います。

バッテリーが交換時期にきた場合、メーターにアイドリングストップランプが点滅したり、液晶にエラーを表示する車種もあるようです。

アイドリングストップ車は、専用のバッテリーが搭載されています。

例えば、軽自動車ですと、M-42という規格のバッテリーが搭載されていることが多いです。

サイズは、通常のバッテリーB20と全く同じで、M-42/B20L兼用で販売されているバッテリーもあります。

アイドリングストップ車用バッテリーは、内部抵抗が小さく充電受け入れ性能が高くなっていて、エンジンが停止している間に放電した容量をエンジンが掛かってからなるべく早めにバッテリーに溜め込むことができるようになっています。その分通常のバッテリーよりも値段は高価です。

M-42が搭載されたアイドリングストップ車にB20Lのバッテリーは搭載でき、エンジンも問題なく始動できてしまいますが、アイドリングストップしない、寿命が短いなどという可能性が大いにありますので、当たり前ですが、緊急時以外は規格のバッテリーを取り付けるのがベストです。

逆(アイドリングストップしない車両にアイドリングストップ車用バッテリーを取り付ける)は、可能です。バッテリーメーカーに確認した際も同様の回答でした。しかし、指定のバッテリーよりも高価であり、寿命が延びるとも思えないので、メリットはありません。

アイドリングストップ車のバッテリー交換時の注意

実は、アイドリングストップ車のバッテリーを自分で交換し、失敗する例は多いです。

失敗といっても、ショートさせるとか、破損させるというわけではなく、作業は行えているのに、アイドリングストップしないといったケースが多いです。

実際に携わったことのある失敗例をご紹介します。

①バッテリー交換後のリセット作業を行っていない(リセット方法の紹介)

自動車のコンピューター内部に、使用中のバッテリーの履歴が記録されており、バッテリーの劣化状態を監視・推測しています。このリセット作業を実施することで、「新品のバッテリーを搭載したよ」と車に教えてあげる作業になります。

メーカーによってリセット作業の要否や手順は異なりますが、リセット作業が必要な車のバッテリー交換後は、リセット作業を行うことをお勧めします。

メーカー リセット作業 故障診断機 備考・詳細へのリンク
レクサス 必要 必要 バッテリー交換後ディーラー・整備工場へ
トヨタ 必要 必要 バッテリー交換後ディーラー・整備工場へ
ニッサン 必要 必要 バッテリー交換後ディーラー・整備工場へ
マツダ 必要 必要 バッテリー交換後ディーラー・整備工場へ
ホンダ 必要 不要 車上操作が必要(DIY可)
三菱 不要 不要 通常の交換作業でOK
ダイハツ 不要 不要 エラーが出た場合は車上作業が必要(DIY可)
スズキ 不要 不要 通常の交換作業でOK
スバル 不要 不要 通常の交換作業でOK

②満充電ではないバッテリーを取り付けた

バッテリーをホームセンターやネットで購入した場合、充電済みであることがほとんどだと思います。

ただし、在庫期間がある程度続いた場合、バッテリーは自然放電してしまい、満充電状態ではない可能性があります。

その場合、バッテリーの内部抵抗は充電量低下に従い増加してしまい、劣化したバッテリーが接続されたと車両に判断されてしまう場合もあります。

大抵の場合、新品バッテリーであれば充電することで内部抵抗が減り、正常になりますので、バッテリー充電機による充電や、走行による充電を行い確認します。

しばらく走行してもアイドリングストップが作動しない場合は、走行による充電(数時間以上走行)や、充電器による充電を実施後、最終手段としては、マイナス端子を取り外ししばらく放置してから再接続することで、アイドリングストップが作動し始めることがほとんどです。

新品バッテリーでも、充電を行ってから取り付ける事で、このような事態を回避することが出来ます。

③バッテリー端子の締め付けが弱い、接触が弱い

意外とDIY作業で多いのが、バッテリー端子の締め付けが弱い事です。

バッテリー端子の接触状況が悪い場合、バッテリーセンサーにより抵抗が多いと認識されてしまいます。

新品バッテリーの場合、バッテリーの端子は綺麗な状態であるためあまり心配はありませんが、車両側の端子の接触面は汚れていることがあります。

取り付け前に真鍮ブラシやサンドペーパーで軽く研磨し綺麗な状態で、バッテリー端子の奥まで差し込み、端子が回転しない様締め付けを行うのがベストです。
バッテリー端子は、テーパー(円錐)形状になっており、根本側が太くなっています。
バッテリー端子の先端側で締め付けを行っても、緩いままとなってしまい、接触抵抗が増えることと、バッテリー端子のはずれリスクがありますので、できるだけ端子の根本側で締め付けるよう注意が必要です。

一見簡単なバッテリー交換ですが、アイドリングストップ車はエンジンが始動すれば良いというわけではありませんので、注意して作業してみてください。

決してできないわけではなく、少しコツが必要なだけです。

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